お久しぶりです。これまでは、Qlik Senseへのデータ取り込みについて記載してきましたが、今回はQlik SenseのデータをCRMと連携するという点で、Qlik Cloudの自動化ツールQlik Automateを活用したQlik SenseとHubSpotのデータ連携の自動化について、基本的な部分から記載しようと思います。
Qlik AutomateによるHubSpotへのエクスポート
まず、Qlik Automateの簡単な例として、Qlik Automateを使いQlik SenseのデータをHubSpotのコンタクトへエクスポートすることとします。データの一時保管場所として、Amazon S3を活用します。Qlikのデータをcsv形式でAmazon S3に保存し、Qlik Automateにて、保存したcsvファイルをロードしHubSpotのコンタクトにレコードを作成します。
今回は、姓、名、Eメールの3項目をHubSpotのコンタクトへエクスポートすることとします。
まず、データロードエディタにて、Qlikのデータをcsv形式でAmazon S3に保存します。
// Contact_Createテーブルを作成
Contact_Create:
Load
姓,
名,
Eメール
From [データソース];
// Contact_Createテーブルをcsv形式でAmazonS3へ保存
STORE [Contact_Create] INTO [lib://Amazon_S3_V2/test/Contact_Create.csv](txt);次にQlik Automateにて、先ほどAmazon S3に作成したcsvファイルを読み込み、HubSpotのコンタクトにレコードを作成します。
作成ボタンから自動化を選び、テンプレート一覧が表示されるので、左下の『テンプレートなしで作成』を選択します。
自動化の画面が開くので、左側のブロックから、Amazon S3の『Open File』、『Read Data From File』、HubSpotの『Create Contact』の3つを配置します。
次にブロックを選択し、それぞれの設定を行います。
Open Fileでは、読み込むファイルを選択します。
Read Data From Fileでは、Open Fileで開いたファイルを読み込むファイルとして設定します。
Create Contactでは、各プロパティに対応する項目を読み込んだファイルから選択します。
今回の場合、Email、Firstname、Lastnameの3つのプロパティを設定します。
これにて、QlikのデータのHubSpotコンタクトへのエクスポートを自動化することができました。
実際の運用にあたっては、HubSpotのコンタクトに既にあるメールアドレスを作成しようとするとエラーが出るため、HubSpotにないメールアドレスのみを差分でエクスポートする必要があります。この部分については、次回以降の記事で記載できればと思います。
※ 1回のみのエクスポートや大量のレコードをエクスポートする場合、HubSpotのコンタクトの画面の右上の『インポート』からcsvファイルを読み込ませた方がスムーズです。
Qlik AutomateによるHubSpotデータのインポート
今度は、Qlik Automateを使いHubSpotのコンタクトのデータをQlikへ取り込むため、HubSpotのデータを『hubspot_contact.csv』という名前のcsv形式でAmazon S3に保存することとします。
全体の流れとしては、まず、対象のフォルダに同じ名前のファイルがあるかを確認し、ある場合は削除します。
その後、同じ名前でファイルを作成し、HubSpotのコンタクトのデータをリスト化したものを、ファイルに書き出しAmazon S3へ保存します。今回の場合は、id、email、firstname、lastnameの4つのプロパティを取り込むこととします。
上に記載の7つのブロックを配置し、それぞれ設定を行います。
下に一部の設定を記載します。
これにて、HubSpotコンタクトのデータのAmazon S3へのエクスポートを自動化することができました。
このcsvファイルをQlikのアプリで読み込むことでHubSpotのデータをQlikへインポートすることができます。
最後に
今回は、Qlik Automateの簡単な例を記載しました。
コンタクトで紹介しましたが、会社・取引・チケットなどの標準オブジェクトついても同様に作成可能です。
次回は、実際の運用に近い形として、Create Contactの差分でのエクスポート、及びUpdate Contactについて紹介できればと思います。
